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第1回中国国際アニメ・マンガフェスティバル総評 その5

「イベント開催前に事務局の責任者と行った一問一答」

今回のイベント運営を実質行っていたのはOACCという広州のあたりでアニメ・マンガのイベントを行っている事務局の人たちでした。今まで数々のイベント運営実績を誇りにしておられたようですが、「海賊版」の問題に関して質問したときの事務局側との一問一答は以下のとおりです。お話をしたのは英語のニックネームでJACKSONさん。中国名、忘れてしまいました……。(OACCがどれぐらいの規模で権威があるのか〜についてはわからない)
Dashan:
「今回は国家が主催となって行うアニメ・マンガイベントですが、万が一、中国国内で行われている他のイベントと同じように、海賊版を販売する業者が現れると、すごく重大な問題だと思うのですが? 失礼な話、今まで行われてきた全てのイベントで海賊版の販売行為が行われなかったことはありませんよ。」

Jackson:
「我々事務局側と出展者側で契約をする際、海賊版に関しても誓約書を書かせるのでそういうことが起こるとは考えられない。」

Dashan:
「イベント会場で海賊版を発見したら即撤去させますか?」

Jackson:
「まずはそれが海賊版かどうかを確認するための手続きが必要だ。しかるべき機関、例えば国家の版権局や公安局へ届けでて、それから〜…」

Dashan:
「いやいや、海賊版なんて見て一発でわかるでしょ? さっきも言ったとおり、今まで中国で行われてきたイベントで海賊版が出なかったことなんてなかったんですから。ほら、このリストを見てくださいよ(公式ホームページに載っていた出展者リストを見せる)。よそのイベントで海賊版売ってるところの名前がすでに載ってますよね? 当日出展ブースにおいて、十分海賊版を出してくる可能性はありますよ。」

Jackson:
「キミィ、何をもって海賊版とするかだよ。例えばそれが本当に海賊版かどうかはきちんと版権元に確認をとっていかなくちゃならないだろ? もしかしたら商品が本物だった場合どうするのさ? キミには何か確実に証明できるものでもあるのかい?」

Dashan:
「……大部分はまず商標を見てくださいよ。ほとんどの商品にマルシーが入ってないでしょ? マルシー入れて販売するとそれはそれで別の問題で訴えられるから。すでに日本の版権元に問い合わせて確認が取れている海賊版商品なんていっぱいありますけど、今から1個1個言っていきましょうか?」

Jackson:
「そうは言ってもねえ、ここは中国なんだよ。日本とは勝手が違うんだ。キミが知らないところで版権が売られて、きちんとした手続きを踏んで商品が販売されていることだってあるんだ」

Dashan:
「(だんだん「はぁ?何言ってんのアンタ」と言った気持ちを抑えつつ…」)著作権保護は日本も中国も同じベヌル条約っていうのに加盟しているわけで、中国だから著作権の解釈が違うなんてあるわけないでしょ? 日本のアニメキャラクターを使用して商品を販売するのに、なぜ中国国内だと日本の版権元を無視して版権を売り買いする行為が許されるのか。許されるわけないでしょ。」

Jackson:
「……中国のアニメ業界は今成長している時期なんだよ。どんな業界でも発展している過程では仕方のないことなんてたくさんあるものなんだから。」

Dashan:
「(「こいつ確信犯か??」)……じゃあ少なくとも、今回は国家の威信をかけているわけだから、海賊版を会場内で出したら、わざわざ呼んだ日本企業のBANDAIと小学館に対しても面子丸つぶれだと思うんですが? 事務局としてはどう対応するつもりですか?」

Jackson:
「それは出展者とは誓約書を書かせているから誓約書の内容に乗っ取って、万が一海賊版の問題が発生した場合、それは出展者側の責任で、我々事務局の責任ではないから。あくまで訴えた側と訴えられた海賊版を販売しているとされる側との間で、裁判でも何でも解決してもらえばいいだけの話だよ。」

Dashan:
「あ、そうですね。(話の無駄だ、と思ってそそくさと帰る)」


当時のやり取りを出来るだけ再現しましたが、要は今回のイベントに関して事務局がそもそもこういうスタンスでしたので、日本側が望むような著作権をきちんとさせたイベントが開かれる可能性などなかったわけです。結局当日は初めて中国のアニメ・マンガイベントへ視察に来た人たちを唖然とさせたのでした。

それにしてもここ中国で仕事しててよく聞く言葉、「ここは中国なんだから」……なんでも許されると思ってるのか?? 日本人同士言う「(言わなくても)わかりますよねぇ?」も外国人相手には通用しないから、もっとはっきり意見を言え、と思うけど。

関連リンク---------------------
http://www.cicaf.com
(第1回中国国際アニメ・マンガフェスティバル公式ホームページ※中国語)




(追記)

この事務局のJACKSONさんとのやり取りはイベント開催1ヶ月ほど前、5月に行いました。

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comments

難しい問題だ、、、。
海賊版はいけないことだけど、版権をレンタルするにも、日本側は破格の値段をつけるということを中国の業界側はわかっているので、なんとも難しい問題だと思う。
じゃ、安くやればいいのか?と言うのもおかしい話になってしまう。国によって価値が変わってしまうのは万国共通のアニメ、漫画の根本的なところが崩れてしまうようにも思う。

どうしたら、うまくお互いに気持ちよくビジネスができるか?をまず考えるのが得策かもしれないですね〜^^

  • 椎名朔哉
  • 2005/06/20 9:58 PM

「ここは中国なんだよ」「郷に入っては郷に従え」「日本人のあなたに中国のやり方は理解できない」…などなど、何度聞かされたことか。彼らにとって、世界の常識より“中国”が上ですから。もっと世界を知って欲しいっすね〜

  • JIZI
  • 2005/06/20 10:51 PM

>椎名朔哉さん
コメントありがとうございます。
なんでもそうですが「適正価格」って難しいですね。
ただ実際のところ、日本は「中国ってよくわからない」と言い、中国は「今の現状(海賊版)でやっていけてるのだから、わざわざ高いお金を支払ってまでする必要はない」と、お互いがお互いの姿をよく見てないんじゃないかと思うときがあります。

お互いのことを考え、「じゃあちょっと会いに行ってみるか〜」と良い方向に進んで行くよう、これからも努力するのでした。

  • dashan
  • 2005/06/20 10:56 PM

>JIZIさん
椎名さんへのコメントを書いている間に先にコメントを投稿していただいていたようで返信が前後しました。

JIZIさんの言うことにはごもっとも! 私も何度聞かされたことか…(苦笑
全部日本のやり方が正しいなどと言うつもりはありませんが、少なくとも、もうちょっと相手のこと考えたら? なんて思うことは少なくありません。

  • dashan
  • 2005/06/20 11:28 PM

海賊版対策について、ブログ『北京ビジネス最前線』が「 映画やアニメやゲームの海賊版を増やさないためには、正規版の販売を強化しなければ!」と題して、4月21日付で述べています。
私も、その意見に賛成です。中国には、海賊版でならされた価格意識があります。これを幾ら批判して、適正価格があるといっても、受け入れられないでしょう。Microsoftの価格は日本人にとっても歴世でしょうか。10年で価格が同じとはとうてい企業努力をしているとは思いません。
何よりも、ニーズがあるのに、くだくだ言って、正規品を販売しなければ、海賊版は大手を振って横行するだけです。中国人の意識を変える事よりも、正規品そのものの力で海賊版を駆逐することです。

>KMさん
コメントありがとうございます。しかし正直どう返答するのが良いのやら困っております。

結局KMさんは最後「正規品そのものの力で海賊版を駆逐すること」が必要だとおっしゃっていますが、それなら価格の問題はどうすれば良いとお考えですか?

「中国には、海賊版でならされた価格意識があります」という意見には同意しますが、KMさんが否定されている「適正価格」についてなぜ「これを幾ら批判して、適正価格があるといっても、受け入れられない」とおっしゃられるのか、もう少し説明をしていただければうれしいです。

例として「テニスの王子様」のジャンプコミックスが日本では400円ほどで売られています。中国で売られている正規版が6.9元(約100円)です。中国で売られたこの正規版は当blogでも紹介しましたが、かなり良い出来です。そこにライセンス料もきちんと加算されていての値段で6.9元というのであれば、私は限りなく「適正価格」であると言えると思います。

ちなみにメディアの規制がもともと厳しい中国ですが、最近になってマンガ・アニメ・ゲームへの規制は特に厳しくなりました。「映画やアニメやゲームの海賊版を増やさないためには、正規版の販売を強化しなければ!」という意見には私も同感です。こればかりは静観するしかありませんが、その中でも出来ることがあると思いますので、私はそこで努力していく考えです。

KMさん、返答お待ちしてまーす。

「適正価格」とは、中国国内での物価・賃金水準を考慮ぜずに、自国での基準を元に価格形成をした価格です。例示すると、自国と同じ基準で知的財産権分を価格に織り込むと事です。私は知的財産権を認めますが、それにより価格転嫁をすべて良しとは思っていません。それをすれば、所謂発展途上国の人々には手の届かない価格になることは必定です。
したがって、中国の場合、DVDに見られるように、海賊版での価格(1枚4〜7元)感覚が普通であるのに、それを無視して、上記の基準で価格を設定しても、それは受け入れられない、すなわち売れないということです。現状においては、悪魔での海賊版の価格を基準にして、正規版の価格設定をしなければ、勝てないということです。そうしなければ、真の海賊版撲滅は出来ません。最終的には、政府の権力に頼るのではなく、経済で勝つしかありません。
なお、『北京ビジネス最前線』のURLは、
http://plaza.rakuten.co.jp/beijing/
です。

  • KM
  • 2005/06/22 5:49 PM

>KMさん
KMさんのおっしゃられたことは良くわかりました。リンク先の『北京ビジネス最前線』のURL先のKMさんのコメントも読ませていただきました。私もKMさんの意見には至極同感です。

一つ誤解のないように言っておきますと、私と椎名朔哉さんとの間で交わされた発言の中の「価格」について、私の理解が正しければ、何も日本の価格をそのまま現地にあてはめることではない、と考えております。

私が言った「テニスの王子様」のジャンプコミックスの例がやや婉曲すぎたからなのかもしれませんが、要は日本で400円のコミックスを現地の事情を何も考えずにそのままの価格で販売すると約30元になりますよね(※1元約13円)。
だからと言って6.9元という価格設定が一概に正しいのかどうかわかりませんが、海賊版が大体4〜5元という価格で、それも粗悪な印刷で販売されていることを考えると、きちんとした装丁でコミックスのカバーまで付き、印刷も中国国内の他のコミックスと比べ良質であり、さらにこれにライセンス料がきちんと加算された上での6.9元は、大手出版社の並々ならぬ努力があったからではないでしょうか。

まあ「適正価格」という意識では、お互いそうあまり変わりないところでコメントを交わしていたのでは?


ところで一つ気になるKMさんのコメントで「最終的には、政府の権力に頼るのではなく、経済で勝つしかありません」とおっしゃっていますが、具体的にはどういうことでしょうか。

解釈によっては、政府が取り決めた法律も経済の力で打破できるというふうに取ることもできます。少し誇張ですが。

私は前のコメントで客観的な事実として「メディアの規制がもともと厳しい中国ですが、最近になってマンガ・アニメ・ゲームへの規制は特に厳しくなりました」と言っています、何も政府の権力に頼れとは言っておりません。ただ国家が海外のマンガ・アニメ・ゲームの輸入に厳しく対応している現状では、日本のライセンサーもさることながら、敏腕な日中を結びつけるコーディネーターの方々も静観せざるを得ない状況なのです。

  • dashan
  • 2005/06/22 11:37 PM

※なぜかコメントが途中で途切れたので続き

個人的な意見として、政府が海賊版撲滅を掲げておきながら前回6月に行われた杭州のアニメ・マンガフェスティバルのような、ナァナァなことをやられたら示しがつきません。こういうところは政府がきっちりとやるべき仕事だと考えております。

再度、もうしわけありませんが、KMさんのコメントをお待ちしております。

  • dashan
  • 2005/06/22 11:38 PM

経済で勝負ということは、消費者に選択される商品(品質・価格)を提供できるかということです。最終的には消費者の選択が勝負を決定するのです。確かに、知的財産権は必要で、政府はこれを守らせる義務があります。しかし、それに依拠して、海賊版撲滅を図るのは、必ずしも経済的合理性からはずれています。
(九寨溝に行ったので、遅れました)

  • KM
  • 2005/06/27 1:37 AM

>KMさん
コメントありがとうございました。KMさんが言われている意見はJETROのホームページで公開されている資料の中で、実際に日本のコンテンツを中国で展開させようとがんばって数々の実績を積み重ねてきておられる方々のインタビューの中でも見受けられますね。それが今の海賊版の現状を打破する一つの突破口になるのではと感じております。

  • dashan
  • 2005/06/28 12:25 AM
   

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