May 2018  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

第1回中国国際アニメ・マンガフェスティバル総評 その3

「海賊版という市場について考える」

今回のアニメイベントがなぜ国内外の注目、特に日本の注目を集めていたかということをもう一度おさらいしておきたいと思います。
中国ではもともとアニメ・マンガフェスティバルというイベントがここ2〜3年毎年のように国内のさまざまなところで行われております。そしてその実態はBtoC(企業とお客さん)の海賊版グッズ即売会という内容です。

そんな中、6月に杭州で行われた「第1回中国国際アニメ・マンガフェスティバル」はアニメの版権売買(使用権の取引)や、シンポジウムなどを開くなどして、BtoB(企業と企業)という方向性を目指しました。そのイベントの主催を中国で放送の管理を一手に行っている政府機関の国家広電総局というところが行うということで、「政府が主導で行うアニメイベントなのだから、きっと海賊版問題に対しても厳しい態度で臨むだろう」というのが大方の見方だったのです。だから期待を込めて注目されていたわけですが、その期待は淡く、現実にはもろくも崩れ去ってしまったのでした。

さて海賊版と言いますが、音楽・映像メディアの海賊版の現状はムゴイものがありますが、キャラクター商品の海賊版はそう絶望的な状況でないと思うのは私だけでしょうか?(音楽・映像メディアは簡単にコピーでき、しかもオリジナルとほぼ遜色がないため海賊版の入り込む余地が大きい)

なぜ消費者は海賊版を買うのか?
ずばり値段が安いということに尽きると思うのですが、安いとは言っても作りが込んだものになると20元以上するものもあります(1元=約13円)。統計とかではなく、一般的に私が周りの友達から聞いている大学卒の社会人1年目の新入社員がもらえる給料が平均して1500元ほどだとします。私はいつもよく、中国と日本の金銭感覚を比較する方法として、1元を100円の価値に置き換えてみます。

実際の1500元は日本円で1500(元)×13(円)=19500円、約2万円となりますが、同じく1500元を今度は1元を100円と見なした場合1500(元)×100=150000、日本円の感覚として15万円ということになり、これで日本の大学卒社会人1年目の新入社員がもらう給料に感覚として近いことがわかっていただけると思います(抽象的になりましたがわかりますか?)
※例)★…実際の日本円  ☆…感覚的な日本円の価値
飲料水500ml 1元 ★約13円 ☆100円
肉まん 0.5〜1元 ★約7円〜13円 ☆50円〜100円
 ラーメン 5元〜 ★約65円 ☆500円

さてでは20元以上する海賊版商品は感覚として、私たちが例えば日本でお金を払って2000円の買い物をするのと同じことになります。私は一般庶民なので2000円という金額をわけのわからないものにポンと出せるほど気風はよくありません。
しかし当日のイベントでは、アニメ・マンガのキャラクターグッズ(海賊版)を買い求めるお客さんたちで、グッズを販売する出展ブースはどこも大盛況でした。お客さんたちは20元というチケットを購入して会場に足を踏み入れたにも関わらず、です。


杭州という比較的裕福な人たちが住んでいる土地だったからなのかもしれませんが、これまで行われてきた中国各地のどのアニメ・マンガイベントでも、海賊版商品を販売する出展団体は、何千元というブースの出展料金を支払っても結果的に儲かっているそうです。これはつまり、海賊版商品が正規版商品を喰いものにしている、ということだけをあらわしているというわけではなく(そもそも中国国内で正規版が無い物に関しては喰いものにされているとは言い切れない)、単純にそれだけ沢山のキャラクターグッズを買い求めるアニメファンがいる、ということをあらわしていると考えられませんか?

ある商品で、正規版が入ってきているのに海賊版商品が売れるのはただ単に値段設定の問題でしょう。少なくとも市場の適正価格との差があまりにも離れていると敬遠されてしまいます。

逆に昔はたくさん見かけた「BENDI」ロゴの粗悪なガンプラは今では杭州でほとんど見かけないようになりました。1箱日本の定価よりも若干高めの値段設定であるにも関わらず、買い求める消費者がいるのです。日本の萌え市場に比べると微々たるものですが、10年後はどうでしょう。


海賊版はやはりアカンでしょう。
ただこれだけ売れている市場を、ただ指をくわえて見ているだけではなく、逆にチャンスと捉えて考えてみましょう。食玩など十分に入り込めそうな気がするのですが、工場からそのまま持ってくるのはやはり輸出入の関係でダメなのかな? ガチャポンも人気はありますが、日本の価格(8元〜16元)をそのまま持ってきているのでやはり高く感じます。そのスキをニセモノ(これがかなり精巧な作り)が入りこんでいますから、価格をもう少し下げることができれば多くの人に買ってもらえるようになるのと同時に、ニセモノを追い出すことにもつながるのではないでしょうか。

海賊版が作られるのを恐れて本物を持ってくるのをためらっていても、例えば最新のアニメの情報などは実にタイムリーに中国国内に入ってきていますし、日本で売られているキャラクターグッズの情報も香港経由で手に入ることができるので、ニセモノは作ろうと思えばいつでも作られるものなのですから。


※例で挙げた商品の価格は参考程度にとどめておいてください。なぜなら中国でパソコンやデジカメを買おうものなら、日本とそれこそ同じ金額を出さなければ購入できませんが、それを私が示した「感覚」で価値観を処理しようとするにはあまりにも無理があります。他にも中国の都市部と農村部の格差の問題などありますので、この価値観をそのまま当てはめることもできません。ですのであくまで参考に、そして専門家の方からの叱咤は喜んで受けますのでご連絡ください。

※本来は「5日間、最後まで消えることがなかった海賊版グッズ」というタイトルでお届けする予定でしたが気が変わり「海賊版という市場について考える」に改めました。

スポンサーサイト

comments

もし低価格の「正規品」を中国で売り出せば、それが日本に輸出されることを止めることができません。
日本の情報が簡単に中国に伝わるように、中国で販売しているものを、個人などがオークションサイトなどを通じて日本国内で販売するのもまた簡単になってしまっているのです。

  • BIN
  • 2005/06/13 1:27 PM

>BINさん
はじめまして、コメントありがとうございます。

私はどうやら映像メディアと同じような考えでこの海賊版商品の問題を解決させようとしていたようです。映像であれば、たとえばアフレコを中国語のみとすれば少なくとも日本への逆輸入と言う流れを防ぐことができますから(ただ日本の声優さんは中国でも結構人気アリ)

ただやはり価格の問題は必然的にクリアしなければいけませんので、例えば中国限定版を現地で開発→現地で販売してはいかかがでしょう。日本に売ってませんから逆輸入されても元々ある物とだぶつくことはないと思います。

指摘されている個人的に逆輸入してオークションサイト上で販売することに対して何の解決方法にもなっていませんが、少なくともP2Pソフトで音楽をダウンロードして聴いている人たちの実態よりははるかにマシ、だと考えているのですがいかがでしょうか。

  • dashan
  • 2005/06/13 2:32 PM

Dashanさんいつも楽しみに読んでいます。国際アニメフェアのレポートもっともっと突っ込んだレポートとか苦労話をお願いします。

日本企業の立場では、今の価格を前提にする限り、日本市場をかく乱するリスクを負ってまで投資する価値は無いと判断しているのではないでしょうか。1元=100円の時代の到来を待つというスタンスだと思います。

今、進出に熱心なのは、言語によって市場が守られる人たちです。例えば小学館・スクエアエニックス。

  • BIN
  • 2005/06/13 8:34 PM

>BINさん
コメントありがとうございます、

感覚的な貨幣の価値として1元=100円という言い方をいたしましたが、すでに車があり、マイホームを持っている家庭では1元はやはり約13円で、日本人が判断している人民元と同じ感覚ではないかとフト考えることがあります。そういう人たちにターゲットをしぼりこんでいくという考えであれば、別に安価な商品を投入しなくてもいい、ということになってしまいますね(レポートと矛盾…)。

イベントレポートは現場であったことをそのまま書いていこうと思っております。ご期待に添えるかどうかわかりませんが、引き続きご覧ください。

  • dashan
  • 2005/06/14 11:15 AM
   

trackback

pagetop